ハワイを訪れる人々にとって、花のレイを首にかけてもらい歓迎されることほど、ハワイらしいことはなく、まさに〝レイはハワイを象徴する〟といっても過言ではありません。
こうした歓迎の気持ちを表す以外にもレイは生活の中のさまざまな場面で使われます。また、花だけがレイを作る素材とも限りません。 意外なことに、南国のイメージの強いハワイの花には、ほとんど香りはなく、香りの良いレイは、植物の葉、蔓、あるいはシダから作るものが多いのです。 一方、貝がらや動物の骨、鳥の羽などを用いたレイは〝無臭〟です。しかし、花のレイに勝るとも劣らぬ美しさがあります。 例えば、〝レイ・フル〟は、鳥の羽を一枚ずつ束ねて作り上げるものですが、完成までには気の遠くなるような時間と労力が費やされ、職人の技が光っています。
レイ作り、そしてレイを身につけることは、フラにおいて非常に重要な役割を果たしています。神や酋長をフラで讃える時、どのようなレイがふさわしいか、皆で知恵を出しあうのです。 全てのレイには霊的な力・マナが宿るとされ、使われた素材、集められた場所、そして作り上げた手からも、マナは吹き込まれていくのです。
レイ作りにおいて、〝輪〟の形は、命の源をつなぐ〝アロハ〟を象徴しているのです。