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このクイ・パラオア、

すなわち象牙のすり鉢は、カメハメハ大王が所有していたものと言われています。タロイモや他の食物をすり潰すために使われた石の杵の形に似ていますが、このクイ・パラオアは、薬を作るために使われました。 魚、珊瑚、貝、木の皮や新芽、植物の根、果物、など山や海から集められた様々なものが薬の材料となり、このすり鉢で細かく砕かれ、 あるいは混ぜられ、治療薬となったのです。

このすり鉢は輸入された象牙でできていますが、象牙を持つことは伝統的に『神聖なこと』とされ、使うことが許されたのは王族や貴族に限られていました。 象牙の持つ特別な力が、薬効を高めると考えられ、カフナ・ラパアウと呼ばれる 医師が患者を治療しました。

人々の間では、病は神から下ってくるものと考えられており、神々を鎮めるには祈りや生け贄、捧げものが必要とされ、薬は特定の時間や状況の中で投与されたといいます。  王族の場合、特定の神に捧げるヘイアウと云う神々を祀る場所を建設することも意味しました