芸術的ともいえる優れた技術は、ハワイアンの社会で 非常に尊ばれていました。
釣り師は苦心を重ね、魚の種類や習性に応じた特殊な釣り針を編み出し、釣の技術を磨き上げてきたのです。 その一部を、ご覧いただきましょう。
キーキイ:渦巻きのかかった釣針
アウクウ:二つの返しのある トローリング用釣針
マカプヒ:一つの返しのある トローリング用釣針
カイアノア:返しのない 二つの小さな釣針
オマウ:返しのない小さな釣針、 深海漁に使用
マナ:うなぎの釣針
コヘ ルア:二つの返しのある 釣針
フイカラ:一つは表、もう一つは 内側に返しの付いた大きな釣針
ヒオヒオ:ムロアジ専用の 珠貝の小さな釣針
ラヴァ:鮫専用の釣針
ビショップミュージアムのコレクションの中で、最もよくみられる釣り針の素材は、亀の甲羅です。その次に、動物の骨が使われています。中には、紐で結ばれた複合釣針などもあります。 その中でも、パ・ウヒと呼ばれる複合釣針は非常に複雑に作られています。〝パ・ウヒ〟とは、カツオ専用のルアーという意味で、ハワイでアクと呼ばれるカツオは、最も人気のある魚でもありました。
1936年から1951年にかけてビショップミュージアムの館長であったサー・ピーター・バック、別名テ・ランギ・ヒロアは、実際、このパ・ウヒを使ったてカツオ釣を行う船に乗り、 この釣り針がいかに有効であったか、その機能と実用性に驚いたといいます。