マカロアマットはモエナ マカロアあるいはモエナ ニイハウ と呼ばれ、 ハワイの編み物の中でも、もっとも編目が細かいものといえるでしょう。
これらはスゲ科の植物である マカロアスゲから作れ、 特にニイハウ島の人々によって編まれたことから その名がつけられました。
マットの特徴は、この〝マカロア″を用いたことにあります。 当時、編み物の材料として主流であったパンダナスの葉が、ニイハウ島にはなかったのです。
マカロアは、主に湿地帯に見られる植物で、 1800年代、ニイハウ島の海岸沿いには多くの湖が点在し、島民は編み物の材料に事欠くことがありませんでした。 しかし、現在では湿地帯は牧草地へと姿を変え、マカロアを目にすることはできません。
マカロアマットに見られる精巧なデザインや柄は、ハワイの他の島々にはなく、入れ墨や「カパ」と呼ばれる木の皮でできた布など、 生活の中に広く浸透していきました。
多くのデザインは、土、水、風、火、植物、動物など自然にちなんだ名前が付けられています。
マカロアマットは柄や大きさが異なり、二つとして同じものはありません。 このことから価値あるものとして高く評価され、ニイハウ島の歌や詩の中で、今なお、その貴重な存在が、うたい継がれているのです